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星暦 ほしごよみ

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名古屋科学館の名解説者、というより評者にとっては対話式解説法の師匠である故・山田卓先生の最後の著書。中日新聞伊勢志摩版に2002年から2004年まで毎週木曜日に連載された同名のコラムをまとめたものだ。

その星空駄洒落は、射手が放った矢にサソリが思わず放った叫び「いてっ!」や「イルカはいるかな」、大熊を見つけた牛飼いが「おぉ熊だ!」などなど天下一品。アルゴルを見ると大人は石になり子供は砂利になると言う評者の駄洒落などは足元にも及ばず、投影中でも拍手喝采、子供が喜ぶ声の激しさは、何度も投影を拝見(というか拝聴)した評者の脳天を叩き割ってくださった。

渋谷でほぼ孤立無援の中(言いすぎかな)、先生の芸風を取り入れようとした無謀な若輩を創ってくださったのである。

だが、本書はそれだけの聖書ではない。本書には、特定解説員の世界だけでなく日本全国の天文愛好者の全身に染み込むようなメッセージが満載で、先生にとって星が親子・親戚・友人というべき存在なのだ。「ナテハマーク」「天斗七星」の命名者でもある山田先生の解説の中では、星が光っているだけでなく躍動しているのだ。

絶筆になった2004年1月8日の「幸せは星の数ほど」は感動である。「…星座を知っていて、本当によかった。この上もなく極上の幸せを感じた…」は至言に他ならない。

先生の名著「星座博物館」シリーズや「星空探訪」などとともに本書を我が家の書斎コーナーの棚に永遠に残しておけと、評者は遺書に書いておこう。

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